1. 政府開発援助の概要(出典:「JICAホームページ」より) 日本政府が対外的に行っている政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)は、発展途上国 の発展を支援するために、下記の三つを柱として行われている。 1)2国間贈与(無償資金協力と技術協力) 技術協力(研修員受け入れ、専門家派遣、調査団派遣、青年海外協力隊派遣、 機材供与) ・・・国際協力事業団(JICA) 無償資金協力・・・外務省、JICA 2)2国間貸付(有償資金協力) 3) 国際機関に対する出資・拠出 世界銀行グループ、アジア開発銀行、国連難民高等弁務官事務所・・・など 1992年6月に発表された 日本政府の開発援助大綱によると、その基本的理念の概要は次の通りである。 (1)人道的・道徳的な視点 世界が共同体であるという観点に立って、貧しい国々に救いの手を差し伸べることは、経済的に豊かな先進国の務めであること (2)相互依存の時代に生きる国々 世界経済の中で、先進国も発展途上国も密接に結びついており、途上国の安定的発展なくして 先進国の発展もあり得ないこと (3)発展途上国の持続的発展のための環境配慮 発展途上国の多くは人口の増加や開発政策の結果、自然環境の悪化など深刻な環境問題を抱えるに至っている。 環境の保全を図り、持続的な開発を可能とする支援をすること
発展途上国の人材育成は、それらの国の基礎づくりとして、極めて重要である。教育分野における技術
協力は、そのためのもっとも効果的な道である。従って、我が国による発展途上国への専門家派遣の目的
は、相手国の機関・技術者(カウンターパート)への技術移転を通して、社会の発展を図り、人材育成を
支援することにある。 JICAの資料によれば、平成5年度に我が国からの専門家派遣総数は2,969人であ
り、1955年に専門家が派遣されはじめて、既に4万に近い人々が発展途上国で国際協力活動を行ってきた。
われわれセンター協議会では、上記の技術協力の一環として、発展途上国の人材育成に対して、国際協
力事業団(JICA)等を通して、それらの国の教育研究・指導機関等へ専門家を派遣し、教育における国際
協力活動を実施してきた。以下それらの概要を述べる。
なお、ここに報告するものは、センター協議会が関わってきた国際協力活動の全てをカバーするもので
はない。その国際協力活動の詳細は別の機会に述べられよう。
1) 理数科教育地域センター(RECSAM)
マレーシアのペナンにある東南アジア文部大臣機構-理数科教育地域センター(SEAMEO-RECSAM;
Southeast Asian Ministers of Education Organization - Regional Centre for Education in Scinece
and Mathematics)において実施されてきた国際協力活動について述べる。
この派遣プロジェクトは、アジア太平洋地区ユネスコ本部(PROAP;Principal Regional Office in Asia
and the Pacific)からの要請によるプログラムである。上記SEAMEO - RECSAMにおける理数科教育の
質的向上を目指すものである。そのために、教育工学的視点から、とりわけ視聴覚教育とコンピュータ教
育の領域の研修指導力の向上と改善を促進させることを目的として展開されてきた。そのための行ってき
た業務内容と活動の概要は下記の通りである。
1.視聴覚教育部門担当スタッフに対する視聴覚教材作成・利用に関する指導助言
2.コンピュータ教育部門担当スタッフに対するコンピュータ技術・教育の助言
3.同センターにおける視聴覚機器・システムならびにコンピュータシステムの構成・機能ならび
に視聴覚教育/コンピュータ教育に関わる研究についての指導助言等
4.同センター研修生向けの視聴核技術・教育、コンピュータ技術・教育に関わる内容の啓発活動・
講演
今後の課題として、次のような事項がある。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツの各
国は、それぞれの分野の専門家を派遣1-3カ月の期間で継続的・ほぼ定期的に派遣している。日本も教育
工学の専門家を継続的・定期的に派遣し、ソフト・ハード両面で支援することが求められているので、施
設・設備の供与を含む恒常的な専門家派遣の体制づくりが不可欠である。
また、アセアン諸国の教育水準の向上にともない、派遣される日本人専門家には、学校教育における学
習指導や教員の資質向上に直結した再教育などの実用的なソフト面のノウハウの提供が求められるように
なっている。さらに、派遣期間は少なくとも3カ月以上が望まれるが、本務を数カ月にわたって免除され
る専門家を得ることはきわめて困難である。このため、複数の専門家による短期・長期滞在をペアによる
組み合わせるなどの工夫をして業務を推進することが必要である。
我が国の国際協力活動を更に充実させるためには、国際協力事業団(JICA)から専門家への支援を一層強
化することが必要であり、そのためには、支援対象国におけるプロジェクト企画の段階で、同事業団が参
画することで、一層効果ある協力活動を展開することが可能となるであろう。
最後に、同センターの要請事項が時とともに、その内容面で変化しているので、早急に対応し見通す能
力・見識が求められる。それらの変化は、例えば、遠隔教育がコンピュータネットワークの構築すること
に、教材開発が見栄えのするホームページの作成へ、などである。
派遣者氏名と期間:
横尾能範(神戸大学) 53日、 山川信晃(京都教育大学) 43日 1989年
山川信晃(京都教育大学)49日、 近藤 勲(岡山大学) 31日 1990年
近藤 勲(岡山大学) 34日、 下村 勉(三重大学) 34日 1991年
近藤 勲(岡山大学) 30日、 下村 勉(三重大学) 30日 1993年
中村 直人(東京学芸大学) 30日 1994年
近藤 勲(岡山大学) 25日、 中村 直人(東京学芸大学)21日 1996年
2) 教育革新地域センター(INNOTECH)
フィリピンのマニラ市に隣接するケソン市に東南アジア文部大臣機構(Southeast Asia Education
Organaization)下の教育革新地域センター(INNOTECH:Regional Center for Educational Innovation
and Technology)がある。「東南アジア文部大臣機構」(SEAMEO)は1965年11月30日に東南アジ
ア7ヶ国の文部大臣が集まって設立されたものである。INNOTECHは同SEAMEOによって、1967年に
設置が提案され、1969年にタイにおかれた東南アジア地域の教員等の教育工学的手法による資質向上と普
及を主なねらいにする教員等研修センターの一つである。1973年にベトナムに移され、1976年にフィリ
ピン文部省内に移管され、同年フィリピン国立フィリピン大学ディリマン校キャンパスの一角に、建物が
建設された。
INNOTECHの活動内容は、東南アジア地域において、下記の2点を行うことにある。
1.地域の要望と同時に共通する教育問題を検討し、解決の支援をすること
2.加盟9ヶ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、カンボジア、ラ
オス、ベトナム、ブルネイ)に固有の教育課題の解決のための必要性に見合った方策を考え
ること
そのために、つぎの三つの部門(「研修部門」「研究と評価部門」「情報と教育工学部門」)が置かれ、
下記の四つの機能を果たすことをねらっている。
1.SEAMEO加盟国に合致する新しい教育方法の開発と創造
2.東南アジア地域内に共通な課題の研究と評価の推進と実施及びモデルの開発
3.上記1.2の機能を達成するための地域内上級者のための研修と実施
4.情報ネットワーク、広報、視聴覚教材の開発を通して、研究と研修カリキュラムの情報及び関
連する情報の収集と流通
1996年3月現在、これら3部門に、それぞれ5名、7名、14名の選任の職員が活動している。そして、
主に加盟9ヶ国から、研修員を年間計画によって受け入れ、ビデオ関連機器、コンピュータ関連機器等の
効果的な利用と、これらを支える教授学習システム等、教育工学全般にわたる幅広い研修と研究及び情報
の提供等の活動を行っている。特に、1996年度からは、その機能の拡大と充実の一つとして、オーストラ
リアのニューキャッスル大学の教育工学に関する単位の認定の一部を担う計画があり、1994年度から実施
されているフィリピン国内国立大学の教育工学の単位認定とあわせて、その活動は大きな広がりを見せて
きている。なお、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ニュージーランドの6ヶ国が
参加協力国となっている。
1976年に、INNOTECHがベトナムからフィリピンへ移転するときに、我が国は、その建物を始め、施
設・設備等を無償援助した。また、INNOTECHからの要請に応じて、平成元年(1989)度から、主にJICA
を通して、定期的に短期専門家を派遣し、研修カリキュラムの充実と施設・設備等の整備及び人的支援を
行こなってきた。派遣者の氏名と年度は下記の通りである。
小池榮一(神奈川大学) 1989年3月
小池榮一(神奈川大学) 石川賢(宇都宮大学) 1990年3月 - 4月
小池榮一(神奈川大学) 村上嘉一(愛媛大学) 1991年7月 - 8月
村上嘉一(愛媛大学) 1993年4月
さらに、平成6(1994)年度には「教育技術開発」、平成8(1996)年度には「コンピュータ利用新教
育訓練技術」のために下記の専門家が日本から派遣され、以下の教育・研修支援、協力活動を行った。
篠原文陽児(東京学芸大学) 43日 1994年
篠原文陽児(東京学芸大学) 24日 1996年
1.コンピュータ研修コースの教科及びCAI教材開発・制作
2.教育用ビデオ及びマルティメディア教材の開発・制作
3.印刷教材の制作技術
おわりに、コンピュータ、ビデオ機器、通信関連機器等の新情報技術の開発とこれらの教育利用及び研
修カリキュラムの開発と実施等で豊富な経験を有する我が国への期待は大きく、一層の支援が求められて
いることを指摘しておきたい。
3) 理科数学教育開発研究所(ISMED)
当研究所(Institute of Science and Mathematics Education Development)は、首都マニラの郊
外のケソン市にある国立フィリピン大学ディリマン・キャンパスに位置する。そこで行われた理数科教育
人材開発プロジェクト(Science and Mathematics Education Development - SMEMDP)における協力
活動の概要を述べる。
派遣の目的は、国際協力事業団(JICA)が1994年6月から1999年5月の間、現地で実施しているプロ
ジェクト技術協力に関して、特に初等郷里か教育分野の短期専門家として協力・指導・助言等の協力活動
を行うことにあった。
今回の業務内容・活動等は、本プロジェクトが実施している7分野の協力のうち、今回は特に初等理科
のソースブックの作成編集作業を中心に、具体的な教材教具の制作と活用について技術移転をした。また、
次年度に計画されている全国研修プログラムについて、いくつかの具体的事例について現地職員と試作開
発事業を行った。
今後の課題として、次のような事項がある。本プロジェクトは、5年計画の2年目に入っている。最終
目標を具体的に明確にしながら、協力活動の策定を進める必要がある。現時点では同センターでの全国研
修の実施と専門職員への技術移転は、可成りの成果が得られていて順調に進捗するものと想定される。
しかし、本プロジェクトはパケージ型の主要プロジェクトとして位置づけられていることから、全国15
地域での地方研修への展開、さらには小地域への波及効果まで期待される。この点について、現地側との
討議を踏まえて、明確なポリシーを確立する必要がある。本プロジェクトの7分野について、長期・短期
の専門家派遣、あるいは現地職員の日本での受け入れについて、暫定的でもよいから、一定の計画策定が
必要と思われる。
派遣者氏名と期間:大隅紀和(京都教育大学) 65日、 1996年2月 - 4月
4) ベトナムの教育管理大学
ベトナムのホーチミン市にある教育管理大学(Education Management College)において行われた
国際協力活動について報告する。この国のおかれた実情から、背景説明が必要と考える。ベトナムは衆知
のように社会主義国であるが、1986年にドイ・モイ(改革;ベトナム版ペレストロイカ)政策が始まり、
国際社会に向かって扉が開かれることとなった。当時は、ベトナム戦争の影響が市民社会に影を落として
おり、開放政策導入により激しいインフレの中で国家の経済も困難な状態にあった。現地で会った家族持
ちの大学事務官(国家公務員)の月給が米ドル換算で20ドル以下であり、一方で生活費は60ドル程度必
要とのことであり、政府は、公務員にも生きるために副業を持つことを公認している実態であった。
このプロジェクトの主たる内容は、教育運営・管理のための情報学に関する国内ワークショップ(In-
country Training Workshop on Informatics in Educational Management)を行うことであり、ベト
ナムのホーチミン市(元サイゴン市)にある教育管理大学が企画し、バンコクにあるユネスコ地域事務所
に提案し、ユネスコの資金でもって、1990年に実施されたものである。
受講生は、ホーチミン市及びその周辺の地域の学校教師の指導者達であった。ベトナム側からの要請
により、国外からの専門家として、ユネスコバンコク事務所と日本から、各一名が派遣された。本ワーク
ショップを実施するに当たり、ベトナム側の担当者(カウンターパート)のティーム(3名)が、ユネス
コ移動ティーム(Mobile Team)として、事前にアジア近隣諸国(インド、タイ)を訪れ、主要関連施設
を視察すると共に、バンコクのユネスコ地域事務所で、ワークショップの運営について協議した。さらに、
同ティームがAPEID教育工学東京セミナーにも参加し、その席でワークショップにおける研修・講義内容
等について日本側の担当者と事前の打ち合わせを行った。
本ワークショップの主たる目的は下記の通りであった。
1.教育指導者達に学習指導・研究・教育管理のためのコンピュータ活用に関する基礎的知識を習
得する機会を提供すること
2.学校教育における情報科学・技術の活用に関して諸外国の実状を学ぶ機会を提供すること
3.ワークショップの成果に基づき教育管理大学(Education Management College)教育研究
計画を改善・充実すること
そのために行なった講義と実習等の概要は以下の通りである。
1.世界に見る教育におけるコンピュータの現状
2.プログラミングの基礎
3.データベースと表計算
4.コンピュータによる通信の技術
5.コンピュータ社会の倫理
当時、ベトナムでは、国家の財政的困難から、大学といえども情報機器等のハードウエア・ソフトウ
エア環境の充実には道通しであった。そのため、本ワークショップを実施にあたって、ユネスコの資金援
助のうち$500を使い台湾製パソコン5台を急遽購入できた、というのが財政的実態であった。今後も被援
助国(ベトナム)側の要請があれば、教育設備(ハードウエアとソフトウエア)の整備・それを教育現場
の教師に指導するリーダー育成の支援等、先進国が協力できる分野は多い。支援を効果的にするために、
専門家の長期派遣の体制を考える必要がある。
派遣者氏名:上別府 隆男 (ユネスコバンコク事務所)、村上嘉一(愛媛大学)12日 1990年
ベトナム教育観理大学No.2のユネスコ移動ティームの研修(1999年度)
期間:2000年2月20日から2月26日
主会場:愛媛大学
担当:愛媛大学教育学部附属教育実践総合センター村上嘉一教授
日程:以下の通り。
SCHEDULE FOR THE MOBILE TRAINING TEAM
Educational Management College No.2 , Ho Chi Minh City, Vietnam
Professor Yoshikazu MURAKAMI
The Center for Education and Educational Research
Ehime University
February 20th to February 26th, 2000.
Day 1 - Sunday, 20th February 2000
16:05 Arrival at Matsuyama Airport on Flight JD875 from Fukuoka
The delegation will be met by Professor Yoshikazu Murakami
and escorted to the Ehime University Guest House.
Location of the Guest House:
10-13, Dogo-himata, Matsuyama City, Ehime. Ph:089-923-4049
Contact: Prof. Murakami Phone:089-913-7863(Office)
089-975-8030(Home), 070-5180-3772(Mobile)
Day 2 - Monday, 21st February, 2000
9:30 Met by Prof. Murakami at the Guest House.
Briefing on the Study Schedule at Ehime University.
10:30 Courtesy visit to Dr. Ayukawa, President of Ehime University.
11:00 Courtesy visit to Dr. Mukai, Dean of the Faculty of Education.
12:00 Lunch
13:25 Visit to Ehime University Junior High School.
Phone:089- 913-7840
Classroom observation: Present state of informatics education at a
junior high school in Japan.
(Classroom teacher: Mr. Mitsuhisa Kusuhashi)
Principal: Professor Osao Minamimoto
15:00 Overview of education system in Japan by Professor Hisao
Yamamoto. (Phone: 089-927-9528)
Vernue: The Center for Education and Educational Research. Ehime
University (CEER, hereafter).
16:30 Return to the Guest House.
Day 3 - Tuesday, 22nd February, 2000
9:00 Met by Prof. Murakami and transported to Ehime University
Elementary School.
9:30 Visit to Ehime University Elementary School. Phone : 089-913-7861
9:50-10:30 Pupils' production of multimedia materials using the Internet
browsers. (Classroom teacher: Mr. Seiji Oono)
Principal: Professor Mitsuru Yamaguchi
11:00 Overview on the uses of the Internet in Japanese education.
(Professor Yoshikazu Murakami)
12:30 Lunch
13:30 Computerized educational management systems at Ehime
University.
.Students' records .Lecture schedules and syllabi .Finance
16:00 Return to the Guest House
Day 4 - Wednesday, 23rd February, 2000
9:30 Met by Prof. Murakami and transported to the CEER.
Information literacy education for the undergraduate non-science
major students. (Prof. Murakami)
HTML source files for school education. (Prof. Murakami)
12:00 Lunch
13:30 Visit to the Ehime Prefectural Center for Lifelong Education.
(Director: Mr. Amano, Phone:089-963-2111)
Short-tour of the Center guided by Ms. Takahashi.
Visit to the Ehime Prefectural Educational Research Center.
(Director: Mr. Moriyama, Phone:089-963-3111)
16:00 Return to the Guest House.
Day 5 - Thursday, 24th February, 2000
9:30 Met by Prof. Murakami and transported to Ehime University
Information Processing Center.
Overview of Ehime University campus LAN and the Internet.
(Prof. Takeshi Wada, Phone:089-927-8801)
12:00 Lunch
13:00 Space Collaboration System for Distance Education at Ehime
University. (Mr. Kato, Phone:089-927-8956)
15:00 Visit to Ehime Prefectural International Center.
(Phone: 089-943-6688)
16:00 Return to the Guest House.
Day 6 - Friday, 25th February, 2000
9:30 Met by Prof. Murakami and transported to the Faculty of Education,
Ehime University.
The Information Center for the Friendship Program:
A WWW-based computer management system for on-site
educational experiences of teacher-bound students at schools.
(Prof. Kei-ichiroKitagawa, Phone:089-927-9424)
11:00 Summary of the Study Visit to Ehime University.
12:00 Farewell lunch(Provided by Prof. Murakami)
13:00 Meeting with people and their cultures in Ehime.
17:00 Return to the Guest House.
Day 7 - Saturday, 26th February, 2000
6:20 Met by Prof. Murakami at the Guest House and transported to
Matsuyama Airport.
8:00 Departure from Matsuyama Airport on Flight EL222 for Kansai
Airport.(Osaka)
ベトナム研修団の参観
愛媛大学附属小学校におけるネットワークパソコンによるマルティメデイア教材の作成の授業
5) コロンボ計画幹部大学(CPSC;Colombo Plan Staff College)
このプロジェクトは国際協力事業団(JICA)による短期専門家派遣によるもので、第三国研修に係わる
技術指導(教材作成)のために、16ヶ国から派遣されたカウンターパートを対象として、フィリピンで行われた。
COMPUTER BASED INSTRUCTIONAL MATERIALS DEVELOPMENT
HOW TO DEVELOP MULTIMEDIA USING MMPC
この、技術指導では、参加者に下記の能力を育成することを目的とした。
1.コンピュータによるマルティメディア教材の作成や学習過程の構築
2.オーサリングシステムを用いた画面設計
そのための研修では、ハードウエア実習を取り入れ、マルティメディア教材作成に関して、他の教材(OHP
フィルム等)の基本的な教材作成技術の習得に関する演習を行った。また、絵や音の素材を受講者に提供
した。結果として、全ての受講者が各自のテーマに基づいたマルティメディア教材を完成した。また、ハ
ードウエア製作実習では、、各自が回路計キットや接続コード2種を作成することができた。
参加者のレディネス(Knowledge & Skills)に差があり、自国に帰っても、今回作成したAWP
(Authorware Professional)の教材が使えないこと、各受講者のマルチメディア教材作成に関する目的意識
が明確でないことなどる。 特に効果が見られた点としては、マルチメディアパソコン(MMPC)を用い
て、ビデオ、CD 、テ−プレコ−ダ、イメ−ジスキャナ等のメディアから取り込んだ教材を作成する技術
を習得できたこと、各受講者が個々の専門領域の興味・関心のある分野で、それぞれの教材 開発を行うこ
とが上げられる。
今後の課題として、これからの内容には、受講者間のコミュニケ−ションをとる方法としてグル−プ演
習を取り入れること、演習の題材設定と指導方法について検討すること、具体的には、コンピュ−タを利
用したロボット制御の仕組みを学習する教材開発を行うことやインタ−ネットによる電子メ−ル・WWW
(World Wide Web)を利用したネットワ−ク演習を行うことな どを計画したいと思う。また、基本的な
部分で、教授−学習理論や各種教材を用いた指導方法を 確立すべきであると考えている。
派遣者名と期間
梶川 俊雄(JICA) コ−ディネ−タ 26日 1995年
林 徳治(京都教育大学) 総括・教材開発 26日 1995年
佐々木真理(滋賀県守山市立守山北中学校) ハ−ドウェア 26日 1995年
赤松 辰彦(関西女学院短期大学) ソフトウェア 26日 1995年
6) 首都師範大学(中国北京)
このプロジェクトは「教育工学的方法による教授法の開発」における国際協力に関するものである。
派遣の目的と内容は、教育工学的手法により教師の教育実践力形成に関わる の新しい教授方法の開発を行
うことである。そのために、授業設計の方法、教授スキルの内容 と方法、授業評価とアセスメントの手法、
教師の意思決定家庭と授業分析について具体的に講義し演習を行なった。
今後の課題として、内容をマルチメディア情報ネットワークの活用を踏まえた新情報技術による教授法
の改革へと発展する必要があることが上げられる。
派遣者氏名と期間:
井上光洋(東京学芸大学)、三橋功一(北海道教育大学)、生田孝至(新潟大学) 1993年
井上光洋(東京学芸大学)、中野靖夫(上越教育大学)、生田孝至 (新潟大学) 1994年
井上光洋(大阪大学)、南部昌敏(上越教育大学)、生田孝至(新潟大学) 1995年
派遣期間はいずれも7月 - 8月にわたる1カ月間である。
ユネスコは、教育・科学及び文化の領域における国際協力の促進を目的とする国際機関である。日本ユ ネスコ国内委員会とわれわれセンター協議会では、バンコクにあるユネスコ・アジア太平洋地域事務所と 協力して、アジア太平洋地域教育開発計画(APEID:Asia and the Pacific Programme of Educational Innovation for Development)のための活動の一環として、 教育工学東京セミナーを東京学芸大学を主会場に開催してきた。 本セミナーは、アジア太平洋地域各国の教育の向上に貢献することを目的とする。開催された年によっ て参加国・機関の数に変動があったものの、アジア各国(パキスタン、インド、タイ、ベトナム、マレー シア、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、中国、韓国等)、東南アジア文 部大臣機構(SEAMEO:South East Asian Ministers of Education Organization)下の教育機関(フィリ ピンの教育革新センター(Innotech)とRECSAM)、ユネスコバンコク事務所の代表と日本側からの参加 者をもって、1974年より開催されてきた。 セミナーは、あらかじめ設定されたテーマについて、各国代表による国別報告書(カントリーリポート) の提示があり、それを基にした研究討議を行う。また、参加者は、学校・研究機関・メディア関連センタ ー等を訪問し、視察・見学を行う。指定された教育工学上のテーマについて、先導的研究を行ってきた機 関(Lead agencies)が研究成果を発表する。これらの成果は、それぞれ英文報告書として刊行され、国内・ 国外の関係諸機関に配布されている。会議に使用されてきた共通語は英語である。参考までに、過年度の 報告書から、過去5年間の報告書のタイトルとセミナー開催時期を以下に記す。 Strategies and Issues on In- and Pre-service Training of Teachers and Personnel in Educational Technology 1991年9月25日-10月3日 Current Trends and Future Prospects on New Information Technologies in Format and Non-formal Education 1992年9月29日-10月7日 Diffusion of New Information Technologies(NIT) for Teachers' and Students' Use at Lower and Upper Secondary Level 1993年9月28日-10月6日 Utilization of New Information Technologies(NIT) for Non-formal Education 1994年9月27日-10月5日 Identification Exemplar Materials on Tested Innovative Software for Regional Adaptation and Dissemination 1995年10月3日-10月11日 APEID第5期事業(1992-1996)は今年度(第5年次)で完結する。今年度も、例年のように、東京学 芸大学を主会場として、下記の主テーマで開催された。セミナーは、オーストラリア、インドネシア、韓 国、マレーシア、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、タイ、ヴェトナムの各国代表 各1名、東南アジア文部大臣機構教育革新センター(SEAMEO Innotech)、ユネスコのバンコク事務所 (UNESCO PROAP)の2機関の代表各1名と日本からの参加者で行われた。 Innovative Approaches to Using Educational Technology for Remedial and Enrichment Education - Focus on Mixed-Ability Multi-Level Classes 1996年10月1日-10月9日 本セミナーの詳細は、報告書「Final Report of Asia and the Pacific Seminar on Educational Technology 1996」(1997.2.17、センター協議会で配布)を参照いただきたい。この報告書は、代表を 派遣した各国・機関、日本国内の関係諸機関、センター協議会メンバーへ配布される。 現在、進行中の第5期事業は、1996年度に終了する。そのため、本年度は、第5期全体の評価も行った。 次期があるとすれば、今までの成果を踏まえて、さらに、マルティメディアやコンピュータのグローバル ネットワーキングの発達という時代の背景を受け、現職教育、教員養成などのための教材作成など、発展 的でかつ具体的な教育工学領域における国際協力も必要となるであろう。
国際化時代を迎え、アジア諸国も相互依存から、相互理解・相互発展の時代を迎えようとしている。
言うまでもなく、国家の発展のためには教育の向上が基礎となる。その意味でも、アジアの先進国である
日本に対する協力期待は極めて大きい。新しい時代に対応して、われわれセンター協議会でも、国際的活
動の場に適応し、国際共通語(多くの場合、英語)によるコミュニケーション能力と専門的指導内容を備
えた教育・教育工学の若手専門家を早急に育成する体制の確立が望まれる。また、派遣された専門家の体
験・資料などを蓄積し、教育・教育工学の研究者へ組織的に提供できるシステムづくりが期待される。
21世紀は、アジア・太平洋地域の世紀となるであろう、ともいわれている。アジア各国の相互発展をめざして、
教育における国際協力活動の更なる充実を願うところである。
(発表者:愛媛大学;村上嘉一、東京学芸大学;篠原文陽児ほか、 1997.2.17)

